虫歯がある状態でもホワイトニングを受けられるのか?

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虫歯の症状が進行すると、徐々に歯が黒ずみ、審美性に悪影響を及ぼします。
「虫歯になった歯を白くしたい!」というお悩みには、ホワイトニングが効果的です。
しかし、虫歯の治療が終わっていない歯も、ホワイトニングができるのかは気になりますよね。

そこで本記事では、虫歯がある状態でもホワイトニングを受けられるのかを解説します。
「虫歯があるけど、ホワイトニングを受けたい!」とお考えの方は、ぜひご覧ください。

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【種類別】ホワイトニングとは?

ホワイトニングは、専用の薬剤を使用して、歯の着色汚れを除去する治療法です。
歯を削ることなく、本来の自然な白さを取り戻す効果が期待できます。

ホワイトニングの方法には、歯科医院のみで施術を受ける「オフィスホワイトニング」と、自宅で継続的に治療する「ホームホワイトニング」の2種類があります。
それぞれ、治療に要する期間や得られる効果が異なるので、ご自身のライフスタイルや要望にあった方法を選びましょう。

オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは、歯科医院にて直接施術を受けるホワイトニング方法です。

オフィスホワイトニングでは、過酸化水素水を主成分とした高濃度の薬剤を歯に塗布し、特殊な光を照射することで、着色の原因となる色素を分解します。
即効性があり、一回の治療でかなりの白さを得られるのが特徴です。
ただし、ホワイトニングを受けたあとの歯は、着色しやすくなるので、施術から2日間は色素の濃い食品の飲食は控えましょう。
濃い色のチョコレートや赤ワイン、カレーは避けて、クリームシチューや白身魚のような白い食品を選ぶとよいですよ。

また、オフィスホワイトニングは色の戻りが早いので、1~3か月に1回を目安に、定期的に施術を受けることをおすすめします。

ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは、歯科医師の指導のもと、ご自宅で行うホワイトニングの手法です。

専用の薬剤を入れたマウスピースを歯に装着して、着色を除去します。
効果を発揮するには、1日1回30分以上の使用が必要なので、就寝する前に装着される方が多いようです。
なお、オフィスホワイトニングとは異なり、時間をかけて徐々に歯を白くするので、効果を実感できるまでに2週間~1か月ほどかかります。

ホームホワイトニングは、継続する期間が長いほど、より高い効果を得られますが、薬剤による歯の痛みや、マウスピースの違和感が原因で、途中で挫折する方もいらっしゃいます。

仕事が忙しくて歯科医院に通院する時間が取れない方や、自分のペースでホワイトニングをしたい方におすすめの方法です。

 

関連記事:ホワイトニングにかかる費用はいくら?保険適用の有無も解説

虫歯がある状態でもホワイトニングはできる?

虫歯がある状態でも、ホワイトニングを受けることは可能です。
しかし、虫歯の治療とホワイトニングは並行して行えません。

次の項で詳しく解説しますが、虫歯の症状次第では、ホワイトニングの効果が十分に得られないだけでなく、痛みや虫歯の悪化を引き起こしかねません。

虫歯の治療とホワイトニング、どちらを優先するかは、歯科医師と相談したうえで決めることをおすすめします。

虫歯がある状態でホワイトニングをするリスク

虫歯がある状態でホワイトニングを受けた場合、施術を受けているあいだに虫歯が悪化して痛みが生じるといったリスクが発生します。

この項では、虫歯の治療よりホワイトニングを優先した場合に起こりうるリスクを解説します。
虫歯の治療とホワイトニング、治療の優先順位を判断する際の参考にしてください。

リスク①ホワイトニング中に虫歯が進行する

ホワイトニングは、効果を発揮するために1か月以上の継続的な施術を受けなければなりません。
虫歯は自然治癒することがなく、時間が経つほど悪化するので、ホワイトニングの施術を優先した場合、虫歯の症状が進行して重症化するおそれがあります。
虫歯が神経まで浸食すると、神経の摘出や抜歯といった治療をしなければならず、ホワイトニングした歯を失うことにもつながります。

ホワイトニングした白い歯を守るためにも、虫歯は優先的に治しましょう。

リスク②ホワイトニングの薬剤がしみて痛みが生じる

ホワイトニングでは、歯に付着した色素を分解する高濃度の薬剤を使用します。
この薬剤は刺激が強く、虫歯の患部や炎症を起こした部位に付着すると、痛みが生じることがあります。

虫歯に限らず、歯周病や知覚過敏など、口腔内にトラブルを抱えている方は、ホワイトニングの施術を受ける前に歯科医師に相談してください。

リスク➂詰め物が取れやすくなる

ホワイトニングで使用する薬剤には、歯の治療に使用する詰め物の粘着力を弱める効果があります。

詰め物は虫歯によって開いた穴を一時的に塞ぎ、神経が細菌に感染しないように保護するものです。
虫歯の治療の途中でホワイトニングを受ける場合、詰め物が取れるリスクが高まります。
詰め物が取れると患部が剥き出しになるため、神経に細菌が入り込み、虫歯が悪化しかねません。
ホワイトニングを受けるなら、虫歯の治療が終わってからにしましょう。

虫歯の治療後にホワイトニングをする際の注意点

ホワイトニングは、虫歯の治療が終わってから受けるほうがよいです。
しかし、虫歯を治療した歯は、思うようにホワイトニングの効果が得られないケースがあります。

ここでは、ホワイトニングを受ける前に把握しておくべき、注意点を解説します。

詰め物・被せ物の色は変わらない

ホワイトニングで効果があるのは、自然の歯(天然歯)だけです。
虫歯の治療に使用される詰め物や被せ物を、白くすることはできません。
虫歯の治療後にホワイトニングを希望する場合、歯と詰め物や被せ物に色味の差が生じやすいので、事前に歯科医師と相談することを推奨します。
ホワイトニングをしたあとの色味を想定した詰め物や、天然歯に近い色合いのセラミック製の被せ物を用いると、より自然な白い歯に仕上げることが可能です。

こちらの記事では、虫歯治療で使われる詰め物・被せ物について解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:虫歯治療における歯の詰め物・被せ物の種類を紹介

神経がない歯はホワイトニング効果が出にくい

虫歯の進行により神経を摘出した歯は、ホワイトニングをしても効果が得られない可能性があります。

虫歯が神経まで到達している場合には、根管治療を行います。
根管治療は、歯の神経を取り除き、神経が通っている管をきれいに洗浄する治療法です。
しかし、神経を取り除いた歯は、まれに茶褐色や黒色に変色します。

ホワイトニングは、歯の表面を白くする治療なので、内側から変色した歯には効果が得られません。
神経を抜いた歯に対しては、ホワイトニングとは別の治療が必要になります。

虫歯を治療したあとのホワイトニングで効果を高めるポイント

虫歯を治療した歯を白くし、ホワイトニングの効果を高める方法を紹介します。
根管治療後の歯に有効な治療法もあるので、ぜひ参考にしてください。

ウォーキングブリーチやインターナルブリーチを選ぶ

ウォーキングブリーチとインターナルブリーチは、歯の神経を摘出する「根管治療」を受けた際に効果のあるホワイトニングです。

根管治療では、神経を取り除いた管に治療用の薬剤を充填しますが、ウォーキングブリーチとインターナルブリーチでは、その薬剤の代わりにホワイトニング剤を注入します。
神経の管にホワイトニング剤を入れることで、歯の内側に付着した色素を分解し、歯の自然な白さを取り戻せます。

ウォーキングブリーチとインターナルブリーチの違いは、薬剤を充填する期間です。
ウォーキングブリーチは、歯の中にホワイトニング剤を入れ、1~2週間ごとに歯科医院へ通院して、新しい薬剤に交換します。
ホワイトニングの効果が得られるまで、この施術を繰り返します。
一方、インターナルブリーチも施術内容は同じですが、ホワイトニング剤を充填するのは、歯科医院での治療中のみです。

インターナルブリーチのほうが、歯への負担は少ないですが、ホワイトニング効果が薄く、白さを実感できるまでに時間がかかります。

セラミックの被せ物をつける

ホワイトニングの効果が期待できない歯には、セラミック製の被せ物を使用して、歯を白く見せる方法が効果的です。

セラミック製の被せ物は、天然歯に近い透明感のある白さが特徴です。
歯科用プラスチックやハイブリッドセラミックなど、ほかの白い素材に比べて変色しにくいため、長期間にわたって白さを保持できます。
また、金属を一切使用しないので、金属アレルギーの方でも問題なくご利用いただけます。

歯のクリーニングを受ける

歯の表面に付着した歯石や着色汚れは、歯のクリーニングできれいにできます。
ホワイトニングのように歯の色を白くするわけではありませんが、歯をクリーニングすることで、本来の自然な色合いを取り戻せます。
見た目がきれいになるだけでなく、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。

ホワイトニングは虫歯を治療してから受けたほうがよい

いかがでしたでしょうか?
虫歯がある状態でもホワイトニングはできますが、痛みが生じたり、虫歯が悪化したりとさまざまなリスクの発生が考えられます。

まずは、虫歯の治療を優先してください。
虫歯の進行次第では、通常のホワイトニングでは効果が得られないこともあるので、事前に歯科医師と相談しながら、治療方針を決めましょう。

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コラム監修者

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中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学
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