虫歯を放置するとどうなる?起こりうるリスクを紹介
「治療を受ける時間がない」「治療を受けるのが面倒」という理由から、虫歯を放置している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、放置しているあいだにも、虫歯の進行はどんどん進み、あとから取り返しのつかない症状にまで発展する可能性があります。
そこで本記事では、虫歯の治療を放置すると、どのようなリスクがあるのかを紹介します。
虫歯の放置によって生じる悪影響を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
虫歯を放置すると起こりうるリスク
虫歯を放置すると起こりうるリスクを、7つ紹介します。
それぞれどのような症状が生じるのかを、見ていきましょう。
リスク①痛みが強くなる
虫歯は、いくつかの進行段階に分かれます。
初期段階の虫歯は、痛みを感じず、見た目への影響も少ないため、気づけない場合があります。
しかし、虫歯は放置しているうちにも進行するものなので、ある日突然痛みに襲われるなんてことも考えられるでしょう。
最初は、物を食べる、または飲むときだけに生じていた痛みが、虫歯の進行により、つねに痛みを感じるようになります。
痛み止めで痛みを抑えられたとしても、それは一時的なもので、いずれは日常生活にまで支障をきたすことになるかもしれません。
少しでも歯に違和感を覚えた際は、すぐに歯医者で診察を受けてください。
リスク②食欲がなくなる
虫歯になると、うまく食事がとれません。
冷たいものや熱いものは沁みますし、歯ごたえのあるものは特に強い痛みを感じるので、おかゆやゼリーなどの柔らかい食べ物を中心とした食事を続ける必要があります。
その結果、自然と食欲不振に陥ってしまうかもしれません。
まともな食事をとらない生活が続けば、身体に十分な栄養が行き渡らず、免疫力や体力が低下します。
その結果、ほかの病気にかかる可能性も出てきますから、たかが虫歯と侮るのではなく、早めに治療を受けるように心がけましょう。
リスク③治療回数が増える
初期段階の虫歯であれば、専用の器具で歯を削る必要なく、ブラッシングやフッ素の塗布で簡単に治る場合があります。
また、治療の回数も1~2回程度で、患者様の負担も少なく済みます。
虫歯を放置すると、治療が大規模なものになり、歯医者に通院する回数も増やさなければなりません。
それに応じて、少額で済んだはずの費用も、膨れあがってしまいます。
虫歯の進行が進んでいる場合は、抜歯が必要になりますが、患者様の心身の負担も大きいため、虫歯の放置は避けたほうがよいでしょう。
リスク④口臭の原因になる
虫歯は、口臭の原因になる可能性があります。
虫歯によって口が臭くなる理由は、以下のとおりです。
虫歯で口が臭くなる理由
- 虫歯の穴に食べかすが詰まる
- 歯の神経が腐敗する
- 歯根に膿が溜まる
虫歯によって生じた穴は複雑な形で、一度食べかすが詰まると歯磨きで除去するのが困難です。
また、虫歯でできた穴は徐々に広がっていくため、食べかすは余計に溜まってしまいます。
こうして溜まった食べかすが、時間経過により腐敗して口臭の原因になるのです。
また、あまりにも虫歯の進行がひどいと、歯の神経の腐敗や歯根に溜まった膿による口臭も考えられます。
これらは、病的口臭とよばれており、歯医者での治療でしか治りません。
こちらの記事では、口臭の種類と確認方法について解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:歯周病にかかると口が臭くなる理由と口臭の種類・確認方法
リスク⑤神経が壊死する
虫歯が重度に進行すると、細菌が歯の神経にまで到達して、壊死してしまう場合があります。
歯の神経は、歯科用語で歯髄とよばれ、壊死すると神経としての機能をもたなくなります。
歯の痛みや飲食物の温度を感じなくなった際は、放置していた虫歯の神経が壊死しているかもしれません。
壊死した歯髄は元どおりにはならず、放置しておけば腐敗して顎の骨にまで影響を及ぼします。
リスク⑥顎に悪影響を及ぼす
虫歯の進行は、歯だけにとどまりません。
歯の外側にまで感染が広がれば、歯を支えている顎の骨にまで悪影響を与えます。
炎症が骨にまで進行した状態を顎骨骨髄炎と言い、患部の痛みや腫れだけでなく、倦怠感や発熱などの症状も表れます。
治療期間も長期にわたり、場合によっては入院が必要になることもあるでしょう。
リスク⑦全身の健康に関わる
「虫歯が全身の健康に関わるわけがない」と、侮っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
虫歯によって発生した傷口から細菌が侵入すると、血管を通じて全身にめぐり、菌血症を引き起こす可能性があります。
菌血症は、本来無菌であるはずの血液中から細菌が検出される状態のことです。
侵入した細菌は、身体の免疫力によって10~30分ほどで消滅するのが一般的です。
ただし、侵入した細菌による感染が全身に及んだ場合、敗血症という全身性の炎症反応を引き起こすおそれがあります。
重症化してしまうと、発熱にとどまらず多臓器不全になる可能性もあり、最悪、命の危険にも関わります。
虫歯は放置しても治る?
虫歯を放置したとしても、治ることはなく、時間経過によってどんどん悪化していきます。
初期段階の虫歯であれば、1~2回程度の通院で治療が完了するので、何か少しでも歯に違和感がある際は、歯医者でチェックしてもらいましょう。
関連記事:歯医者で虫歯を完治するまでにかかる時間はどのくらい?
虫歯を放置しても治ることはないので、早めに治療を受けましょう
今回は、虫歯を放置すると起こりうるリスクを紹介しました。
虫歯は、ある程度身近な存在であるからこそ、軽視してしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、放置した虫歯の進行が止まることはなく、いずれは日常生活に支障がでるほどの症状にまで発展してしまいます。
「もっと早く治療を受けておけばよかった」と後悔しないためにも、定期的に歯医者に通うのがおすすめです。
デンタルオフィス大阪梅田では、治療後に虫歯が再発しないよう「予防ケア」にも力を入れています。
定期的な検診やメンテナンスなど、サポート体制も充実しているため、治療後も安心して生活を送りたいとお考えの方は、ぜひお越しください。
コラム監修者
資格
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学