歯ぎしりをしてもインプラント治療は可能?チェック項目と対策方法
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスやクセによって引き起こされる症状です。就寝中に感じるストレスや夢の影響でも起こる場合がありますが、歯ぎしりをする方はインプラント治療が受けられるのでしょうか?
ここでは、歯ぎしりをする方とインプラント治療との関係性について、治療の可否や対策方法を紹介します。
現在、歯ぎしりや噛み締めに悩んでいる方でインプラント治療を検討中、または将来的にインプラントが必要になる可能性がある方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
歯ぎしりする場合でもインプラント治療は受けられるのか?
歯ぎしりは「ブラキシズム」の一種であり、食いしばり(クレンチング)・カチカチと上下の歯を噛む(タッピング)・歯ぎしり(グライディング)という複数のクセが含まれます。
歯ぎしりをしているからといってインプラント治療が受けられないわけではなく、歯ぎしりの結果として軽度(軽症)であれば、インプラント治療を受けることは可能です。
ただし、健康な歯がすり減ってしまっていたり、顎関節や骨にまで影響がみられたりするケースは、中程度から重度と判断されます。インプラント治療の前に、まずは歯ぎしりの影響によって起きたトラブルに対処しなければなりません。
歯ぎしりがどこからきているものなのか、原因を突き止めたうえでクセを改善しなければ、せっかくインプラント治療を行っても歯がぐらついたり抜けたりするおそれがあります。
インプラントの治療を行った後は、インプラントを長持ちさせるためにメンテナンスを続けていかなければなりません。
中程度レベル以上の歯ぎしりが改善されないままインプラントを埋め込んでしまうと、せっかくの人工歯がすり減って歯根のインプラント体にまで負荷をかけ、結果的にぐらつきや歯のすり減りが生じる可能性があります。
歯ぎしりは思った以上に歯と周辺の組織に力をかけるため、程度によってはインプラント治療よりも先に改善を行い、軽度になったところでインプラント治療を検討することになります。
こちらの記事では、インプラント治療が受けられない人、その対処法を解説しています。合わせてご覧ください。
関連記事:インプラントができない人とは?対処法とともに紹介
関連記事:インプラント治療の適応年齢と年齢制限・治療不可となるケースを紹介
歯ぎしりする方がインプラント治療に不向きの理由
中程度以上の歯ぎしりをする方は、なぜインプラント治療に不向きとされているのでしょうか。
理由として、3つのポイントが挙げられます。
【歯ぎしりが治療に不向きな理由】
- 上部構造がダメージを負う
- インプラント全体がぐらつく
- あごの関節や骨への悪影響
歯ぎしりは、健康な天然歯に対しても強い負荷をかけるため、中程度以上の激しいクセが続くとすり減ってしまいます。インプラントに対しても同様に、上部構造がすり減っていってしまうため、歯の噛み合わせや噛みごたえに影響が出るおそれがあります。
強い力が加わると、歯根部分で歯を支えているインプラント体にもダメージが及んできます。インプラント体は歯槽骨という骨に埋まっていますが、力がかかり続けると次第にぐらつき、歯としての機能が損なわれるリスクが高まります。
歯ぎしり自体は、あごの骨や顎関節へも影響を与えます。歯ぎしりはあごを前後左右にスライドさせるため、クセになるとあごを支えている関節や骨への負担が増大し、顎関節症といったトラブルにも繋がってしまうのです。
インプラント治療そのものは問題なく行えても、インプラントを埋め込んでから傷口を治癒させていく段階で噛み合わせのクセが出てしまうと、せっかく埋め入れたインプラント体が安定せずぐらついてしまう可能性があります。
インプラントがぐらつくごとに何度も治療をやり直すわけにはいかないため、まずは歯ぎしりや噛み締めを治すところから始めなければなりません。
こちらの記事では、インプラントのメリットやデメリットを徹底解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:インプラントのメリット・デメリットを徹底解説
歯ぎしりする方がインプラント治療を受ける際の対策
歯ぎしりがクセになっている方がインプラント治療を検討する際、歯ぎしりの矯正・改善を行うところから始めなくてはなりません。インプラント治療を受ける前に実施したい、歯ぎしりの対策方法を2つ紹介します。
対策①ナイトガードを着用する
ナイトガードとはマウスピースの一種であり、眠っているときに装着して歯ぎしりを予防する矯正器具です。複数のメーカーから市販もされていますが、歯科クリニックへ相談すると、自身の歯に合ったナイトガードを保険適用の元で製作してもらえます。
ナイトガードは眠っているときに歯ぎしりをする方のためのマウスピースですが、無意識的に日中でも噛み締めや歯ぎしりのクセが出てしまう場合は、医師と相談のうえで日中にもナイトガードを装着できます。
対策②嚙み合わせや歯並びを直す
歯ぎしりはストレスをはじめ、歯並びや寝相などさまざまな理由で起こるとされています。
軽度な歯ぎしりであれば影響は少ないと判断できますが、何度も繰り返し歯ぎしりをして歯がすり減っているときはナイトガードの装着や寝具の調整、ストレスの緩和などを行うほか、矯正治療で噛み合わせや歯並びを治すことをおすすめします。
噛み合わせは部分矯正で対応できるものから、顎関節症やお口の中の全体が関係しているケースまで患者さんごとに異なります。
まずは歯ぎしりの治療として、噛み合わせも含めたチェックを受けたうえで、インプラント治療に適した状態に整えていくことが理想的です。
こちらの記事では、インプラント治療後のメンテナンスの流れに必要である理由を解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:インプラントのメンテナンスが必要な理由とやり方
歯ぎしりのチェック方法
ここからは、実際に歯ぎしりをしているかどうかのチェック方法を紹介します。
【歯ぎしりのチェック項目】
- 知覚過敏である・ものが染みる
- 歯ぎしりを家族に指摘されている
- 歯ぎしりを医師に指摘されている
- 詰め物や被せ物が取れてしまう
- 口が開きづらい・開かない
- あご・フェイスラインが痛い
- 噛み合わせが悪くなっている
- つらい頭痛や肩こりがある
- 内側の頬や舌に歯の跡がある
- 歯の根元が欠けてしまっている
- 歯周病が進んでいる・進みやすい
上記のチェック項目に加えて、「実際にすり減っている歯があるかどうか」を確認しましょう。
たとえば、すり減っている歯はないけれど「知覚過敏である」「肩こりがある」といった単発の症状だけであれば、歯ぎしりに直結しているとは限りません。
歯ぎしりを家族や医師に指摘された経験がある方や、指摘されたばかりの方については、歯ぎしりのクセがどこかで現れている可能性があります。インプラント治療を受ける前に、実際に歯がすり減っているかどうかを確認のうえで、必要に応じて歯ぎしりの改善を行ってください。
口が開きづらい・開かない、あごやフェイスラインに痛みを感じる方は、「顎関節症」の可能性があります。顎関節症とは顎関節に痛みや違和感のほか、口の開閉のたびに雑音を生じる方もいます。少しでもおかしいと感じたときは顎関節症の専門医の元を受診し、治療を受けることをおすすめします。
朝、目覚めたときに、なぜかあごやフェイスラインが痛かったり凝っていたりするケースについては、夜眠っているときに歯ぎしりをしている可能性があります。顎関節症かどうかは専門医の診察を受けたうえで、医師の指示に従って治療を進めてください。
お口の中のお悩みに幅広く対応
いかがでしたでしょうか?
お口の中の症状や歯ぎしりの程度は患者さんによって個人差がありますが、ストレスを減らす・ナイトガードを装着するといった方法は歯ぎしりの改善に役立ちます。
まずはどの程度歯ぎしりをするのか、実際にすり減っている歯も確認しながら症状の程度を把握し、原因を見極める必要があります。
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