根管治療にかかる費用の相場と治療の流れを紹介
根管治療は、歯を細菌感染から保護し、その機能を保持する上で非常に重要な役割を果たします。
この記事では、根管治療が目指す目的、さまざまな治療方法、具体的な治療手順の詳細、および治療費用の一般的な範囲について詳しくご紹介します。
目次
根管治療とは
根管治療は、歯内療法とも呼ばれ、虫歯や歯の損傷により細菌が歯の内部に侵入し、根の中の神経部分に炎症が発生した際に行われる治療手段です。
この治療は、歯の内部にある神経や血管などが集まる歯髄部分に対して行われます。
歯髄が細菌に感染すると、激しい痛みや腫れを伴う炎症が起こり、放置することで感染がさらに進行し、最終的には歯を失う原因となります。
根管治療では、感染した歯髄を除去し、根管内を丁寧に清掃してから消毒を行い、最後に充填材で根管を封鎖します。
これにより、歯の強度を保持し、感染の再発を防ぐことができます。
この治療の成功は、細菌を徹底的に除去し、根管を正確に充填することにかかっています。そのため、治療を行う歯科医師の熟練度や経験が重要となり、患者さんが治療を受ける際には、医師の専門性やクリニックの設備を確認しておくことをおすすめします。
また、根管治療の必要性を減少させるためには、日常的な口腔ケアと定期的な歯科診察が欠かせません。
初期段階での虫歯の発見と治療により、歯髄の感染を未然に防ぐことが可能となり、より危険な状態への進行を避けることができます。
定期的な歯科検診を受け、早期発見・早期治療を心がけることが、健康な歯を維持する上で重要になります。
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根管治療にかかる費用の相場
根管治療がどのくらいの費用がかかるのか気になる方は多いと思います。
根管治療にかかる費用は、治療を必要とする歯の種類、症状の複雑さ、使用する材料、さらには治療を行う歯科医院の地域や設備によって大きく異なります。
以下では、根管治療にかかる費用の相場について詳しく説明します。
保険診療の場合
根管治療の費用は根管の数によって異なり、保険を適用した場合の患者負担額は、1根管で約1,500円、2根管で約2,300円、3根管で約2,800円となります。
この費用にはレントゲン撮影、薬剤の使用、充填材料などが含まれます。
これらの費用の詳細を知ることで、患者は治療にかかる費用を事前に把握し、計画を立てやすくなります。
自由診療の場合
根管治療の成功率を高めるためには、時に特別な材料やマイクロスコープ、そして高い効果を持つ薬剤の使用をおすすめします。
これらの高度な技術や材料は自己負担診療に該当し、治療費が10万円〜100万円程度になる場合もあります。
このような治療法を選択することで、細菌感染のリスクを最小限に抑え、より高い成功率を期待できますが、同時に費用の面での負担が増えることを理解しておく必要があります。
根管治療の流れ
根管治療は、歯の内部に生じた問題を解決するための重要な手順を踏む治療法です。
この治療は、虫歯や歯の損傷が原因で歯髄が感染し、炎症を起こした場合に行われます。
適切な根管治療を行うことで、歯を健康な状態に戻し、最終的には歯を保存することが目的です。
以下では、根管治療の一般的な流れについて詳しくご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
問診
歯の痛みは、その発生原因や状況によりさまざまです。
患者から現在の症状や歯の健康状態を詳細に聞き取ることで、痛みが一時的なものなのか、あるいは断続的に起こるのかを判断します。
食べ物や温度が痛みにどのような影響を与えるかといった痛みの特性を理解することは、治療計画を立てる上では欠かせません。
自発痛の有無
自発痛とは、外部からの明確な刺激がないにも関わらず感じる痛みのことを言います。
このような痛みが存在する場合、多くの場合で歯の神経がすでに影響を受けており、根管治療の必要性が高まります。
歯科医はこの状態を診断のための重要な手がかりと見なし、神経の炎症や他の問題点を特定するためにさらなる検査を実施する可能性があります。
打診
歯科医師は歯の根の先に炎症が存在するかを確認するために特別な検査を行います。
この検査では、軽いハンマーで歯をたたき、反応を観察することによって痛みの原因を探ります。
歯がこの刺激に敏感に反応した場合、根の先に炎症があることが示されます。
神経検査
歯科医師は、冷たい刺激、熱い刺激、または電気刺激を用いて歯の神経反応を評価し、神経の健康状態を判断します。
これらのテストにより、神経が損傷しているか否かを特定し、適切な治療計画を立てるための貴重な情報を収集できます。
レントゲン
レントゲン撮影は歯科治療における重要な診断方法です。
これを通じて、虫歯の大きさ、根の先端の状態、根管の数や形状を詳細に把握することが可能になります。
また、より精密な診断が必要な場合はCT画像の撮影も行われ、虫歯の進行度や骨の損失の有無を明確にできます。
この情報は治療計画の策定に欠かせないものであり、正しい治療方法を選択する上で重要な役割を果たします。
虫歯の除去
虫歯によって損傷した部位を取り除くことは感染拡大を防ぎ、効果的な治療のための清潔な環境を作り出す上で欠かせません。
この手順は歯を保存し、将来的な健康を守る上で重要な役割を果たします。
神経の除去と洗浄
感染した歯髄の除去と根管の洗浄は、根管治療において欠かせない工程です。
この手順を通じて、歯の内側の感染を根本から除去し、再感染の可能性を大幅に減らすことができます。
洗浄を終えた後の根管は無菌の状態が保たれ、歯の健康が長期にわたって維持されるようになります。
この治療過程は、痛みの直接的な原因に対処し、歯を守る上では非常に重要になります。
根管の充填
根管充填は、根管治療の最終段階であり、洗浄後の根管内をガッタパーチャというゴム状の樹脂で充填し、密封することにより感染の再発を防ぎ、歯の構造を強化します。
この工程は歯を保全し、その機能を復旧させる上で欠かせず、治療成果に大きく影響を及ぼします。
充填完了後、根の最端部まで薬物が正確に充填されているか確かめるため、レントゲン撮影が行われます。
根管治療の通院回数
根管治療の場合、治療する歯の位置によって、必要な通院回数、治療の頻度、そして治療全体の期間が変わってきます。
以下では、前歯、小臼歯、大臼歯の治療に必要な平均的な通院回数とその期間について詳しく解説します。
治療部位 | 通院回数 | 治療頻度 | 期間の目安 |
前歯 | 3~4回 | 週に1回/2週に1回 | 1~2ヶ月未満 |
小臼歯 | 3~5回 | 週に1回/2週に1回 | 1~2ヶ月未満 |
大臼歯 | 3~7回 | 週に1回/2週に1回 | 1~2ヶ月未満 |
自由診療における根管治療では、患部の状態により治療回数や期間が異なります。
具体的には、前歯、小臼歯、大臼歯の治療にはそれぞれ3回〜7回の通院が必要で、週1回または2週に1回の治療が一般的です。
多くの場合、治療期間は1ヶ月〜2ヶ月以内に収まりますが、治療の中断や虫歯の進行状況によってはより長い時間が必要となることもあります。
自由診療の場合、柔軟な治療計画によって患者さんのニーズに合わせた治療をすることが可能です。
根管治療の費用を安く済ませるには?
根管治療の費用を節約するためには、適切な歯科クリニックを見つけること、早めに治療を始めること、そして最新の治療器具を備えた医院を選ぶことが重要です。
以下で、これらの重要な要素について詳しくご紹介します。
ポイント | 詳細 |
通院回数が少ない歯科医院の選択 | 高度な治療設備を備えた歯科医院は、通院回数を減らすことができます。 |
早期治療の実施 | 歯の異常を早期に治療することで、根管治療の必要性を減らし、費用を抑えることが可能です。 |
高度な治療設備の活用 | マイクロスコープや歯科CTを使用することで、治療の精度が向上し、通院回数が減ります。 |
症状の早期発見と治療 | 異常を感じたらすぐに診断を受けることが重要です。症状が悪化すると治療費が高額になり、歯を失うリスクも高まります。 |
根管治療の費用を抑えるためには、通院の回数を減らすことができる最先端の治療設備を備えた歯科医院を選ぶことが重要です。
また、歯の問題を早く発見し、速やかに治療することで、根管治療が必要な状況を減らし、結果的に費用を節約することが可能です。
最新技術、たとえばマイクロスコープやデンタルCTを活用することにより、治療の正確さが向上し、必要な通院回数を削減できます。
さらに、歯の異常を早くに検出し、速やかに対処することで、高額な治療費や歯を失うリスクを大きく下げることができます。
これらの方法は、根管治療のコストパフォーマンスを最大限に発揮し、患者さんの負担を軽減するために欠かせません。
費用の心配をせずに質の高い治療を受けられるよう、これらの点をぜひ参考にしてください。
根管治療の費用効率と質を高める選択
根管治療は、進行した虫歯や歯の神経問題を効果的に解決し、歯を保存するために重要です。
治療の成功と費用の抑制には、早期治療の実施、高度な治療設備を備えた歯科医院の選択、そして通院回数が少ないクリニックでの治療が欠かせません。
デンタルオフィス大阪梅田では、最新の治療技術と豊富な経験を持つスタッフを通じて、各患者様の個別の状況に応じた理想的な治療方針を提案しています。
根管治療の費用を抑えつつ、質の高い治療を受けたい場合は、ぜひデンタルオフィス大阪梅田にご相談ください。
私たちは、患者様の負担を最小限にしながら、長期的な口腔健康をサポートいたします。
コラム監修者
資格
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学