インプラント治療後の歯磨き・ケア方法と歯みがき粉選びの注意点

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インプラント治療では、抜歯や埋入を行って傷口が回復するのを待ち、回復後にインプラント体とアバットメント、上部構造を繋げていきます。治療には数ヶ月の期間がかかりますが、時間をかけて治療を行うことで天然の歯と遜色のない強い人工歯が手に入ります。

インプラント治療の後は、市販品の歯みがき粉を使用しても良いのでしょうか。この記事では、インプラント治療後に使う歯みがき粉について、ケア方法とあわせて詳しく紹介します。

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インプラント治療後は市販の歯磨き粉を使用できる?

インプラント治療がすべて完了した後は、通常通りのお手入れができるようになります。上部構造を取り付けたあとは傷口の回復を待たなければなりませんが、基本的にお口の中は常に清潔にしておかなければなりません。

治療後は虫歯予防とともに歯周病予防が大切です。手術を行った部位は出血や腫れが発生し、傷口が治るまでは非常にデリケートな状態です。

毎日のうがい・歯みがきをしっかりと行いますが、インプラントを埋め込んでいる部分は手術後の数日間は強い刺激のある歯みがき粉や歯ブラシを使わないように注意しましょう。

インプラント治療後の歯磨き粉についてよくある質問

インプラント治療を受けた後は、どのような種類の歯みがき粉を使えば良いのでしょうか。フッ素・研磨剤・顆粒などそれぞれの種類ごとに確認していきましょう。

質問①フッ素入りでも問題ない?

市販のフッ素入り歯みがき粉は、医療機関で使われているものよりも濃度が小さいため、通常通り使用するぶんには問題ありません。

インプラントは濃度が1,500ppm(0.15%)程度までは腐食の心配がなく使用できます。日本国内では、「薬用歯みがき類製造販売承認基準」によってフッ化物イオンの濃度は1,500ppm以下にとどめるように定められていますので、フッ素入りの歯みがき粉のほとんどはそのまま使用できます。

参照元:厚生労働省e-ヘルスネット「フッ化物配合歯磨剤」

質問②研磨剤を使用していいか?

研磨剤は、歯の表面に付着した頑固な汚れを取り除くために配合されている物質です。歯みがき粉の中に粒子として含まれていますが、粒の大きさは研磨剤の種類によってさまざまであり、インプラント治療後の使用は可能なかぎり控えるようにしてください。

インプラント治療を受けた後の歯ぐきは非常にデリケートであり、粒子が歯のすき間やインプラントと歯ぐきの間に入り込んで留まり、炎症が起きるリスクがあります。

研磨剤はあくまでも歯の表面を磨くためのものですが、インプラントを埋め込んでいる歯ぐき部分にまで入り込む可能性があるのです。

質問③顆粒入りでもいい?

汚れ落としや美白に使われている顆粒も、研磨剤と同じく注意が必要です。歯みがき粉に含まれている顆粒には、潰れずに口の中に入り込んでしまい、取れなくなるものがあります。

顆粒入りの歯みがき粉は歯垢を押し出す効果があるとされていますが、一度奥まで入り込んでしまうと簡単に除去ができません。インプラントの埋め込み箇所に入り込むと、炎症が起きてもそのまま留まってしまうため、使用は避けてください。

質問④化粧品と医薬部外品のどちらがいい?

化粧品と医外部薬品の違いは、有効成分が含有されているか否か、また外見を美化するものか否かといった点にあります。

化粧品は体を清潔にし、美化や魅力を増すことを目的としているもので、歯みがき粉では口臭予防のための香料が含まれている製品などが該当します。医外部薬品は歯周病予防、炎症予防に効果が期待できる成分が含まれている製品が該当します。

インプラント治療後は、どのメーカーの製品でも使用することができます。顆粒や研磨剤が含まれていなければ、お口の中を清潔にしてくれるアイテムを選んでみてください。

気になる場合は歯科医やクリニックのスタッフに相談し、インプラント治療後のケアに必要な歯みがき粉を探してもらうと良いでしょう。

歯磨き粉以外でインプラントをケアする方法

歯みがき粉のほかにも、インプラントをケアする方法としては以下の4つのポイントが挙げられます。それぞれを詳しくみていきましょう。

方法①徐々に歯ブラシの毛先の固さを変える

インプラント治療を行ったあと、埋入箇所は非常にデリケートな状態にあります。傷口は時間の経過とともに治癒していきますが、はじめのうちは出血もみられますので、硬い歯ブラシは使用を控えてください。

少しずつ柔らかい歯ブラシに替えてケアを行いますが、はじめはインプラント用の歯ブラシを使用しましょう。

さまざまなメーカーからインプラント用の歯ブラシが販売されており、治療直後用の非常に柔らかいものから、ポイントケア用の「ワンタフト」歯ブラシも回復期のケアに使用できます。

方法②毛先が細い歯ブラシを使用する

インプラント治療を行った部分は、天然歯のような自浄作用が失われているため、歯と歯の間や歯ぐきを中心に丁寧なケアが必要になります。毎日のケアとして、できるだけ細かい汚れも取り除く必要があるため、毛先が細い歯ブラシを使用しましょう。

毛先の形状は「テーパー毛(テーパード毛/極細毛)」と呼ばれるものを選び、小刻みに動かして歯周ポケットや歯間を中心にケアを行ってください。

方法③タフトブラシやフロスも使用する

インプラント治療後のケアに役立つ「タフトブラシ」は、通常の歯ブラシが届かない歯と歯の間、歯の根元(歯ぐきとの境目)へのブラッシングに役立つアイテムです。

タフトブラシを使うと磨き残しやすい部分の歯垢が除去しやすく、歯ぐき周辺での歯周病の活性が抑えられ、歯垢や歯石の予防も行えます。

歯並びの悪い場所、被せ物の周辺やインプラント埋入箇所の周囲は、タフトブラシを小刻みに動かしてケアを行いましょう。

方法④わからないことは歯科医師に相談する

インプラントを入れた後は、かかりつけの歯医者から、アフターケアやメンテナンスに関する説明を受けます。歯ブラシや歯みがき粉選び、ブラッシングの方法について疑問が出てきたときは、説明を聞いたあとで医師や歯科衛生士に相談を行ってください。

医師はもちろん、歯科衛生士もケアの方法を熟知していますので、使用中の歯ブラシを持ち込むなどして、インプラント部分へのケア方法をチェックすることをおすすめします。

インプラント治療段階ごとの歯磨きの注意点

インプラントは、インプラント体と呼ばれる歯根の代わりの部品を埋入し、その上にアバットメントと呼ばれる連結部品を取り付けます。アバットメントの上には、白い歯の代わりとなる上部構造が取り付けられますが、上部構造ができあがるまでは「仮歯」を入れておきます。

ここからは、治療の段階ごとに注意しておきたい歯磨きの方法について確認していきましょう。

注意点①仮歯を入れている間

仮歯が入っている段階は、まだインプラントの埋入箇所が完全ではありません。術後しばらくは傷口も開きやすい状態にあるため、刺激を与えないように柔らかい歯ブラシを使ってケアを行ってください。

炎症のリスクを避けるため、刺激の強い歯みがき粉やデンタルリンスも避け、食後はこまめにうがいをして、お口の中に食べものの残りかすや糖分を残さないようにしましょう。

注意点②人工歯の装着後

上部構造の人工歯を装着したあとは、いよいよ歯が使える状態になります。とはいえ、手術直後は歯肉周りが腫れて出血しやすく、インプラントの定着までにはまだ時間が必要です。

取り付けたばかりの人工歯に負担をかけないように、力強いブラッシングは避けてください。

注意点③治療の完了後

治療がすべて終わり、インプラントを通常の歯として使えるようになった後は、ブラッシングや歯間へのケアは他の歯と同様に行えます。

インプラントを埋入してからは「インプラント周囲炎」「インプラント周囲粘膜炎」に注意し、歯周病の予防を意識しながら、自宅と歯医者でのメンテナンスをこまめに行ってください。

こちらの記事では、インプラント周囲炎の症状や原因、治療法を解説しています。合わせてご覧ください。
関連記事:インプラント周囲炎とは?原因から治療方法まで詳しく解説

インプラント治療後のケア

インプラント治療後に自分自身でできるケア方法として、2つのポイントを紹介します。

ポイント①定期メンテナンスを忘れない

定期的なメンテナンスとして、埋入箇所のチェックと検査、お口の中全体の定期検診を1,2ヶ月に一度は行いましょう。

インプラント治療後、天然歯はすでに虫歯になりえない上部構造へと置き換わっています。しかし、歯ぐきや歯周組織の一部にはまだ感染症のリスクがあるため、「インプラント周囲炎」や「インプラント周囲粘膜炎」に注意が必要です。

インプラント周囲炎がひどくなると、歯周ポケットと呼ばれる歯ぐきのすき間が深くなっていきます。放置しているとインプラントが抜けてしまい、人工歯として使えなくなってしまうために、メンテナンスをこまめに続ける必要があるのです。

メンテナンスでは炎症や歯周病の有無を診察します。将来的に炎症が起きる可能性はないかどうか、予防のための治療やケア方法も定期的に確認を行ってください。

ポイント②歯周病や天然歯のケアも行う

インプラントと隣り合う歯、前後の歯についても、歯周病のケアを行ってください。天然歯・人工歯を問わず、どの歯もご自身の歯として丁寧にケアを続け、汚れや細菌を取り除く必要があります。

歯周病は歯の表面ではなくその奥の歯ぐきや歯槽骨で発生しますが、歯周組織は連続して続いているため歯周病菌が広がる可能性があります。インプラントを入れた箇所だけをケアするのではなく、すべての歯を清潔に保たなければなりません。

関連記事:インプラント治療術後の過ごし方とは?食事や歯磨きの注意点

丁寧なケアでインプラントを長く使う

いかがでしたでしょうか?

今回は、インプラント治療の後に使う歯みがき粉や歯ブラシ、ケアの方法について紹介しました。
治療が完了してからは患者さんご自身のこまめなケアにインプラントの状態が左右されるため、お口の中は常に清潔に保つようにしましょう。

大阪・梅田の「デンタルオフィス大阪梅田」では予防歯科から口腔外科まで、幅広い治療やケアに対応しています。インプラント治療や治療後のケアでお悩みの方は、ぜひ当院へお越しください。

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コラム監修者

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中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学
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