【インプラントとセラミックの違い】費用やメリットやデメリットも解説
インプラント治療は、歯を失った部分に歯根から上部構造の被せ物まで、連続して人工的に置き換えられる方法です。歯の欠けた部分やヒビ(亀裂)への詰め物・被せ物として行われるセラミック治療とはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、インプラントとセラミックの違いについて、治療方法の特徴、メリット・デメリットを紹介します。インプラントとセラミックの違いを押さえたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
インプラントとセラミックの治療の特徴を比較
インプラントは日本語で「埋め込む」という意味の言葉であり、医療器具などを埋め込む治療法の意味ももっています。セラミック治療の特徴も含めて比較していきましょう。
インプラント治療とは
インプラント治療とは、歯根にインプラント体と呼ばれる人工の部品を埋め込む方法です。歯根から歯をすべて失ってしまった方も、元の歯に似せた人工歯に置き換えが可能です。
セラミック治療とは
セラミック治療とは、特定の治療を指す言葉ではありません。「詰め物・被せ物にセラミック素材が使われる治療」という意味になります。
セラミックは非鉄金属の陶材として、多くの製品に使われています。化学的安定性に優れた特徴と耐熱性・耐蝕性を備えているため、機械部品・電子部品・光通信部品・工具・医療用製品に用いられています。
種類としてはオールセラミック・ジルコニアセラミック・ハイブリッドセラミック・e-max・メタルボンドと、目的にあわせてさまざまな素材が作られています。歯科治療では・部分的な詰め物(インレー)・差し歯または被せ物(クラウン)・ブリッジ・インプラント治療の人工歯にも使用されています。
インプラントとセラミックの違いとは
インプラントとセラミックには、どのような違いがあるのでしょうか。素材・費用・治療期間・寿命について紹介します。
違い①素材
インプラントは歯根に埋め込むインプラント体・連結部であるアバットメント・人工歯である上部構造からできています。インプラント体は骨や歯周組織に直接接するため、純チタンまたはチタン合金が用いられます。
アバットメントはチタンのほかにジルコニアなどが、上部構造はレジン・セラミック・ジルコニア・金合金のいずれかを予算や見た目の審美性に応じて選びます。
セラミックは歯根の代わり、またはアバットメントとして使用することはできません。一方、被せ物や詰め物としては優秀で、一例として「オールセラミック」はすべてがセラミックでできている歯であり、天然歯のような審美性が特徴的です。
違い②費用
インプラントにかかる費用は、1本あたり30万円以上が目安となります。歯根へのインプラント体の埋入から上部構造までを連結させる手術と治療、各種検査や人工歯の作成費用が含まれます。
セラミック治療の費用は、詰め物や被せ物の箇所の大きさ・数・セラミックの種類によって異なります。オールセラミックの詰め物であれば、1ヶ所あたり約5万円以上が目安です。
こちらの記事では、インプラントの治療費を分割払いする方法を解説しています。合わせてご覧ください。
関連記事:インプラントの治療費を分割払いする方法
違い③治療期間
インプラント治療は、クリニックへの相談から上部構造の被せ物を終えるまでに最低でも半年程度をみておきましょう。セラミック治療は内容にもよりますが、根管治療や矯正を行ったとしても1,2ヶ月程度で治療を終えられます。
関連記事:インプラントの治療期間はどのくらい?治療の流れも紹介
違い④寿命
インプラントの寿命は、歯根部分のインプラント体で約10年程度とされています。セラミック素材も10年以上は持つとされており、こまめにケアをして長持ちさせることも可能です。
インプラント治療のメリットとデメリット
インプラント治療は、歯根を失くした患者さんでも本物の歯と遜色のない歯を手に入れられる治療方法です。自由診療のため費用はかかりますが、歯の使い勝手からみると、多くのメリットが期待できる方法といえるでしょう。
インプラント治療のメリットとデメリットを詳しくみていきましょう。
メリット
インプラント治療のメリットは、以下の3つです。
【インプラントのメリット】
- 天然歯のような見た目
- 天然歯のような噛み心地
- セラミック素材も使える
インプラントは歯根部分から骨と結合させるため、天然の歯と同じように、強くしっかりと噛むことができます。上部構造にはセラミック素材も使用でき、天然の歯と遜色のないオールセラミックの人工歯も製作可能です。
デメリット
インプラント治療のデメリットは、以下の3つです。
【インプラントのデメリット】
- 自由診療のため料金が高い
- 上部構造のみセラミックが使える
- 治療が受けられないケースもある
インプラントは保険適用がほぼ適用されない自由診療です。素材をすべて安いもので揃えたとしても、手術や検査、通院に費用がかかります。
セラミック素材は上部構造のみに適用されますが、インプラント治療そのものが受けられない患者さんもいらっしゃいます。
セラミック治療のメリットとデメリット
セラミック治療は、インプラント治療の上部構造・クラウン・インレーのいずれかが適用される場合に選択できます。セラミックは歯根が残っているときに、歯の上部のみを補うための治療です。
セラミック治療のメリットとデメリットを詳しくみていきましょう。
メリット
【セラミックのメリット】
- 人体との親和性が高い
- 天然歯のような仕上がり
- 歯垢がつきにくく清潔
セラミックはイオン化しやすく金属アレルギーの原因にもなりうる銀歯とは異なり、体への影響が少ない素材です。
天然の歯のような自然な風合いに色調をデザインできるため、審美性にもすぐれています。陶器の材料と同じく表面が滑らかなため、歯垢も付着しにくくなっています。
デメリット
【セラミックのデメリット】
- 自由診療のため料金が高い
- 強い衝撃を加えてはならない
- 歯根やアバットメントには不可
セラミック素材はレジン(合成樹脂)と混ぜ合わせたCAD/CAM冠と呼ばれる被せ物のみが保険適用となり、それ以外は自由診療扱いとなります。陶材のため衝撃に弱く、インプラント治療における歯根やアバットメントには使用できません。
インプラント治療の流れ
インプラント治療は、対応可能な歯医者に相談しながら、カウンセリング・検査・診断を通じて治療計画を決定します。抜歯またはインプラント埋め込みの手術を行います。
「1回法」と呼ばれる治療では、インプラント体と連結部品であるアバットメントを1回の手術で設置します。その後、3ヶ月以上の治癒期間を経て上部構造である人工歯をセットします。
「2回法」は2度の手術でアバットメントを連結させ、同じく3ヶ月以上の治癒期間を経て傷口が治癒するのを待ってから上部構造を被せます。
セラミック治療の流れ
セラミック治療も、歯科医への相談とカウンセリングを行います。歯根への治療や施術は必要ありませんが、審美修復・矯正・詰め物の直しなど、どの目的で治療を受けるかによって計画や方向性が変わります。
口腔内の検査と診断を経て正式な治療計画を策定し、必要に応じて根管治療(神経の治療)を行って、土台を作ってからセラミックを被せます。セラミック矯正や古くなった詰め物の代わりにセラミックを被せるケースでは、根管治療は行いません。
インプラント治療に通う歯医者の選び方
インプラント治療に通う歯医者の選び方について、3つのポイントをみていきましょう。
選び方①親身・丁寧に対応してもらえる
患者さんの立場に立って、お悩みにあわせた対応を行ってくれる歯医者を選びましょう。インプラントは高額かつ長期間の治療になりますから、患者さんの要望に沿って対応してくれるクリニックや医院を探しましょう。
選び方②インプラント治療の実績がある
インプラント治療の経験が豊富な歯医者では、患者さんごとの症状にフィットした対応が可能です。難しい症例や珍しい症例にも対応できる、インプラントの資格を取得している医師を探してみてください。
選び方③通いやすい立地の歯医者を選ぶ
インプラント治療は、長くかかる方で1年近くの通院が必要になります。通院回数は多くはないものの、治療前の検査や治療後のアフターメンテナンスにも通わなければならないため、通いやすい立地の歯医者を探しておくと安心です。
セラミック治療の特徴をチェック
いかがでしたでしょうか?
今回は、インプラント治療とセラミック治療の違いや特徴について紹介しました。
インプラント治療でも上部構造にセラミックを適用できますので、これから治療を考えている方はセラミックの種類や長所をチェックしてみてはいかがでしょうか。
大阪の「デンタルオフィス大阪梅田」では、駅からアクセスがしやすくインプラント治療に力を入れているクリニックです。一般歯科・予防歯科などにも対応していますので、お口の中のお悩みはぜひ当院にご相談ください。
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コラム監修者
資格
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学