インプラントができない人とは?対処法とともに紹介
「入れ歯からインプラントに切り替えたい」「虫歯によって抜けた歯をインプラントで補いたい」このようにお考えの人もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、インプラントを希望するすべての人が治療を受けられるわけではなく、なかには施術できない人もいます。
そこで本記事では、インプラントができない人を、対処法とともに紹介します。
インプラント治療を受けられるのかどうかを知りたいという方は、最後までご覧ください。
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目次
インプラントができない人とその対処法
インプラントは、歯ぐきを切開する外科手術を含む治療であり、多少の危険をともないます。
そのため、一定の条件を満たしていなければ、インプラントができない人もいるという点もあらかじめ押さえておきましょう。
ここでは、どのような場合にインプラントができないのかを、9つのケースにまとめました。
インプラントの施術ができなくても、治療を受けられるようにする対処法もご紹介します。
18歳以下の人
18歳以下の人は、体がまだ成長過程にあるとみなされるので、インプラントを埋め込むあごの骨も、未発達との理由で治療を受けることはできません。
ただし、治療を受けられない年齢は法律で定められているわけではないため、歯科医院によって制限している年齢は異なります。
インプラント治療には、あごの骨に穴を開けて人工歯根を埋め込む手術が必要です。
そのため、あごの骨が発達しきっていない状態で、インプラントを埋め込むと、インプラントに不具合が生じたり、歯並びが悪くなったりする可能性があります。
対処法
18歳以下の人の場合は、あごの骨の成長が止まったことを確認できるまで、インプラント治療を受けられません。
それまでは、入れ歯などで治療箇所を補います。
入れ歯で補えず、どうしてもインプラントが必要であっても、18歳以下の場合はあごの骨の成長を待つしかありません。
こちらの記事では、インプラント治療が受けられる適応年齢について、上限や平均年齢など詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:インプラント治療の適応年齢と年齢制限・治療不可となるケースを紹介
妊娠中の人
妊娠中は、母子の安全性を理由に、治療を断られるケースがほとんどです。
インプラント治療は外科手術を施すので、投薬やレントゲン撮影を行うこともあります。
また、妊娠中は精神的に不安になりやすく、インプラント治療に対する不安が、胎児に悪影響を及ぼす可能性がないともいえません。
このような理由から、妊娠中は身体的な理由だけではなく、精神的な理由によってもインプラント治療ができないケースもあります。
対処法
妊娠中でインプラント治療を受けられない人でも、出産を終えたり授乳期を過ぎたりして、体調が落ち着けば治療を開始することができます。
しかし、妊娠中でも、治療を受けなければ日常生活に支障が出る人もいらっしゃるかもしれません。
このような場合には、妊娠期間中は入れ歯などで対応し、出産後にインプラント治療を行います。
妊娠中に、どうしてもインプラント治療を受ける必要がある場合は、安定期を過ぎている妊娠5か月頃を目途に、インプラント体を埋め込みます。
出産するまでの期間を、歯とインプラント体を固定する期間とし、出産後に人工歯を取り付けるという対応も可能です。
しかし、母子の健康を損なうような事態は、できる限り避ける必要があります。
そのため、特別な理由がない限り、インプラント治療は出産後まで控えましょう。
こちらの記事では、インプラント治療と妊娠の関係性や影響について解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:妊娠中のインプラント治療は可能?注意しておくべきリスクと影響
持病がある人
外科手術をともなうインプラント治療では、妊娠中の人と同じように、持病がある人も治療できないことがあります。
持病を患っている人がインプラント治療を受けると、手術中や手術後にトラブルを引き起こす可能性があるからです。
たとえば、持病が高血圧である場合、脳出血や脳梗塞といった合併症を引き起こしかねません。
また、服用している薬の種類によっては、体の免疫力や抵抗力が低下しています。
体の機能が低下していると、あごの骨とインプラント体がしっかりと結合できなくなる可能性があるために、取り付けたインプラントがぐらついたり、取れてしまったりします。
対処法
持病がある人で、インプラント治療を希望する場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
持病の種類や体の状態によっては、治療を受けられるケースもあります。
かかりつけ医の指示に従って、ご自身に適切な方法を検討しましょう。
虫歯や歯周病がある人
治療を受ける前の段階で、口内に虫歯や歯周病がある人は、あごの骨とインプラント体がうまく結合しないことがあります。
重度の歯周病を患っている状態でインプラントを埋入すると、歯周病菌によってインプラント周囲炎を引き起こすかもしれません。
インプラント周囲炎は、インプラント周辺の組織を破壊する病気であり、発症するとインプラントが抜け落ちてしまいます。
対処法
口内に虫歯や歯周病がある人は、インプラント治療を受ける前に、虫歯や歯周病の治療を受けましょう。
先に虫歯や歯周病を治療して、症状が鎮まった状態であればインプラント治療が受けられます。
糖尿病の人
糖尿病を患っており、血糖値のコントロールができない人は、インプラント治療を受けられない可能性があります。
糖尿病の人のほとんどは、免疫力や抵抗力などの機能が低下しているため、インプラントの手術の傷口が回復するまでの時間が長くなります。
また、虫歯や歯周病の人と同様に歯周病になるケースも考えられるうえに、場合によっては、インプラント周囲炎を引き起こすリスクもあることは押さえておきましょう。
対処法
糖尿病を患っている人で、インプラント治療を希望する場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
血糖値をコントロールできて、かかりつけ医からインプラント治療を受けてもよいと判断された場合は、治療を受けられます。
こちらの記事では、インプラント治療との関係やリスクについてなど解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:糖尿病の方がインプラント治療を受けるリスクと注意したいポイント
麻酔が使用できない人・使いたくない人
インプラント治療では、手術の際に麻酔を使用します。
そのため、何らかの理由で麻酔が使用できない人や、注射時にともなう痛みを理由に麻酔を使用したくない人は、必然的に治療が受けられません。
対処法
麻酔に何らかの不安がある人は、インプラント治療の前に行われるカウンセリングで、どのような麻酔を使って治療しているのかを確認しましょう。
一般的に、インプラント治療では「局部麻酔」「静脈内鎮静法」とよばれる、2種類の麻酔を使用しています。
麻酔時の痛みを避けたい場合には、点滴で麻酔薬を投与する静脈内鎮静法がおすすめです。
治療後のメンテナンスに通えない人
インプラントを埋め込んだあとは、日常生活におけるセルフケアの実施はもちろん、定期的なメンテナンスが必要になるため、歯科医院へ通院しなければなりません。
定期健診では、噛み合わせは問題ないか、インプラントの周辺に炎症が発生していないかなどを確認します。
そのため、何らかの事情があって定期的に通院できない人は、インプラント治療を控えましょう。
こちらの記事では、インプラント治療における一回法と二回法の違いや特徴を詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
関連記事:インプラント治療の一回法と二回法とは?違いや特徴を解説
対処法
インプラント治療後の定期検診は、歯科医院によって通院の頻度が異なります。
インプラントの治療を検討している歯科医院では、どの程度の頻度で定期検診を受けなければならないのかを事前に確認しておきましょう。
通院の頻度を確認したうえで、通院が可能であれば、インプラント治療を受けても問題ありません。
ヘビースモーカーの人
喫煙をしている人のなかでも、ヘビースモーカーとよばれる人は、インプラント治療を受けられない可能性があります。
喫煙によって、体内に取り込まれる一酸化炭素は血流を悪くし、ニコチンは血管を収縮させます。
インプラント治療では、あごの骨とインプラント体をしっかりと結合させなければなりません。
しかし、喫煙が原因で血液が運ばれにくくなると、インプラント体があごの骨と結合しなくなることがあります。
そのため、喫煙者によっては、インプラント治療ができないケースが出てきてしまうというわけです。
対処法
ヘビースモーカーの人は、禁煙がインプラント治療を受けるための第一歩です。
なお、治療前だけではなく治療後の影響も考慮して、禁煙を検討しましょう。
骨密度が低い人
インプラント治療は、あごの骨にインプラント体を埋め込む手術になるので、骨密度が低い人は治療が受けづらくなります。
骨密度が低い状態で、人工歯根を埋め込むと、抜け落ちたり折れてしまったりすることがあります。
しかし、骨密度が低い人でも、骨造成とよばれる施術を行えば、インプラント治療が受けられる可能性はあるので、安心してください。
以下で、骨造成の代表的な3つの手法である「ソケットリフト」「サイナスリフト」「GBR」「ソケットプリザベーション」を詳しく紹介します。
ソケットリフト
インプラント体を埋め込む歯槽骨の高さが足りない場合に、人工骨や人工代用骨を移植して骨の厚さを確保する骨造成手術を「ソケットリフト」といいます。
ソケットリフトは、歯槽骨の厚みが3㎜以上あり、人工骨の移植範囲が一歯程度の比較的小さな範囲であれば利用できます。
なお、ソケットリフトは、インプラント体の埋入と同時に行えるため、治療期間が短いことが特徴です。
サイナスリフト
サイナスリフトは、骨の幅が5mmに満たない場合や、多くの歯を欠損している場合に適用される方法です。
まず歯槽骨の幅を広げるために、上顎洞とよばれる空洞に骨や人工代用骨を移植します。
そのあと、移植した人工骨や人工代用骨が安定するまで待ってから、インプラントを埋め込みます。
サイナスリフトの治療期間はソケットリフトより長いので、治療を終えるまでにどのくらいの期間を要するのかを事前に確認しておきましょう。
GBR
GBRとは、「Guided Bone Regeneration」の略で、歯槽骨の幅が不足している場合に、歯槽骨の再生をサポートする骨再生誘導法のことです。
GBRは、歯槽骨の幅がどのくらい不足しているかによって、治療の進め方が異なります。
不足している歯槽骨の幅の程度が大きいほど、治療にかかる期間も長くなるという点を押さえておく必要があります。
ソケットプリザベーション
ソケットプリザベーションは、抜歯した部分に人工骨や補填補材を入れて、歯槽骨を再生させる方法です。
抜歯した箇所のあごの骨は、時間が経つと周りの骨に吸収されてしまうので、痩せて薄くなります。
そのような状態でも、インプラント体を埋め込むために、ソケットプリザベーションを利用して骨が痩せるのを防ぎます。
関連記事:インプラントを勧めない歯医者は信頼できる?歯医者選びのポイント
インプラント治療ができない人は対処法によって治療を受けられる可能性が高まる
いかがでしたでしょうか?
インプラントはすべての人が治療を受けられるわけではなく、妊娠や持病の有無、ヘビースモーカーであるかどうかによって、施術できない場合もあります。
インプラント治療を希望しているものの、治療を受けられるのかどうかが気になる人は、カウンセリングを受けて、相談してみてはいかがでしょうか。
世航会では、インプラント治療だけではなく、さまざまな治療を受けることができます。
インプラント治療が可能かどうかでお悩みの人も、まずはお気軽にご相談ください。
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